楽しいランパブ。



メールをくれた方や掲示板を読んでいる方には感じていた方もいたかもしれないが、ここ最近、俺は、大きな不安に覆われ、精神状態が最悪だった。
それというのも、ほぼ同時に3つもの、人生を左右するような大きな問題を突き付けられたからだ。
とにかく、これらの問題を乗り切らないと、俺の未来は暗い。
そんな重たい状態のなかでキャバクラにも行く気にならず、鬱々と考え込んでいたのだ。
ところが、ここ数日で、それらが期せずして一挙に解決することとなった。
最初の問題は、問題を来年まで引き延ばすことにし、次の問題は考え得る限り最悪の結末とともに終了し、最後の問題は問題自体がなかったこととしたのである。
何ひとつ望ましい解決などない気がするが、今こうして生きているところをみるとそれほど大した問題ではなかったのかもしれない。案外、人生において重要なことなど何もないとも言える。(逆に言って、すべてが重要とも言えるけど)

そんなわけで、俺は人生の次のステップに向かうことにした。

まず、しなければならないことは?

深呼吸とともに瞼を閉じた俺が思い付いたのは、ランパブだった。

そうだ!ランパブに行こう!!

初心者向けに解説すると、ランパブとはランジェリーパブの略で、女性が下着姿で接待してくれるところである。
実は、俺は「キャバクラ」には一財産失うほど通ったが、「ランパブ」というものには一度も行ったことがなかったのである。ちなみに御存知ない方に言うと、「ランパブ」というシステムには、お触りがない。並々ならぬ露出であるにも関わらず、これは「セクキャバ」とは大きく違い、あくまで「キャバクラ」の延長なのである。

そんなわけで、唐突ではあるが、大きな決意とともにランパブに行くことにしたわけであるが、だからといってここ最近引き蘢り続けた俺に金はない。
そこで、数日前ウチに遊びに来た折りに、酔っぱらって絨毯に醤油をぶちまけた友人(フリーター。同じく金に困っている)に、「リフォーム代弁償するか、ランパブ奢るかどちらかを選べ」と迫り、見事にランパブ1時間無料券をゲットしたのである。

夜の9時ころ待ち合わせ、二人で安酒をしこたま飲んだ後、いざTというランパブに繰り出した。
ちなみに、友人もランパブは未体験である。
Tはある雑居ビルの2階にあった。
トンネルを抜けるとそこは雪国だった、とは川端康成だが、階段を上がるとそこはランパブだった、とは俺の言葉である。
ドアを開ける。
「いらっしゃいませ」という複数の掛け声とともに、目に入ったのは、過激に露出したTバックと乳バンドだけを身に包んだ20人ほどのうら若き乙女達である。(客の姿は無視する)

ここは、桃源郷か!

俺は思わず立ちすくんだ。
いや、言ってしまえばお触りのある店でのサービスはランパブ以上に過激である。
しかし、そういった店でも、女の子たちが常時裸で店内をウロウロとしているわけではない。脱ぎやすいような衣装ではあるけれども、一応コスチュームに身を包んで、一通りのものは隠している。
あと、そういった店は店内が暗いか仕切りがあるため、いきなりすべてが全景で見られるわけではない。
だから、俺はこのアクロバティックな光景(?)に身をよじる程(股間をかがめるの意)感激した。

な!な!楽しそうだな!!な!!!

俺は興奮して、無理矢理連れて来た友人の肩を高速で叩いた。
友人も、冷静さを保ちながらも、喜んでいたのは分かった(股間から判断)

店員がさっそくRという女の子を連れて来た。
ところが、ここで驚くべき事件が起こる。

Rが我が友人を見るなり、「あれ、××君?」と声を掛けたのだ。
驚いて顔を上げる友人。
なんと、二人は中学時代の同級生だったのである!
思わず、テンションが上がるR。
「○○先生、どうしてるかな〜」
などと話すRの話を恥ずかしそうに俯きながら聞く友人。初めて逢うはずのランパブ嬢が知り合いだったという後ろめたさがあるのだろう。
しかし、そこで俺は思った。
恥ずかしがるべきは、客である友人なのかランパブ嬢のRなのか隠しているのは乳首と陰部だけという衣装で臆面もなく話し続けるRを見てイマイチ計りかねて首をかしげた。

とはいえ、そんなこんなでRは席を立った。
まあ、今は単なる客である。
その後、何人かの女の子が入れ代わりつくが、どのコもレベルが高い。
俺はウキウキし続けて話し込んでいると、しばらくして、場内放送とともに照明が落とされた。
聞くと、この後ショータイムがあるのだという。

なんと今この瞬間の光景だけでもお腹がいっぱい胸いっぱいいっぱいおっぱいなのに、さらにショータイムまであるとは!!

俺は感激した。
ショーが始まる。
お店の中でも選り抜きの可愛い二人が、踊り出した。
しかし、この踊りが見ていて恥ずかしくなるほど下手クソである。
踊る本人たちも誰かと目が逢うと、照れて笑ったりする。素人丸出しである。
はっきり言って人様に見せるレベルではない。
しかし、俺はこの光景にまた欲情した。

チクショウ!最高じゃねえか!!

俺は、とにかく下手なものが好きなのだ。
踊りだけではない。音楽ならラモーンズから派生して、西海岸のルックアウトレーベル(マイナーすぎて申し訳ない)あたりの3コードパンク。漫画なら、はなくまゆうさく。映画ならエドウッドか石井輝男と決めている。(決めてはないけど)
下手ウマではない。下手へタのなかにこそ、底知れない魅力を感じるのだ。

踊りが終わると、丁度ボーイがコールを告げてきた。
俺は、久々の満足感とともに、ドアを開けて店を出た。
すると、女の子たちも一緒に廊下に出てくる。
エレベーターが来るまで我々を見送るつもりらしい。
しかし、外は、気温10度を切っている。
女の子たちは揃って、「寒い!」と言って足をバタつかせた。
当たり前である。
この時分に裸で外に出るのは、自殺したいか頭がひどく悪いかのどちらかである

風邪引くから、戻りなよ。

と言ったが、「だ、だいじょうび」と全然大丈夫じゃない口調で俺らの姿が見えなくなるまで見送ってくれた。

うーん、素晴らしいぞ。
なんて素敵なところなんだ。

ランパブ。

しばくらこのテーマで語ってみたくなった。

 

投資額     5,000円(1回延長。延長料のみ支払い)
回収額       250円(楽しさでは、全額回収
も接触目的ではこの金額)
収支      -4,750円

 

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