お水ということ

 

なんというか、水商売と言うのはホント一度やると抜け出せないらしい。
もう、一昨年になるだろうか。
立ち寄った地元のキャバクラで、ある看護学校の学生のBというコと知り合った。
Bはこの仕事を始めて2日目だと言った。しかも、寮の門限があるので、夜の9時までしかいられない。つまり、7時開店のそのお店でわずか2時間だけのアルバイトだった。
逢えたのは、すごく運が良いと言える。
Bは、人目を引くほどの美人ではなかったが、相手の話をホントに興味のあるように聞いてくれるカンジの良いコだった。
だけども、どこか上手に笑えないところもあり、実はそこがすごく好感が持てた。
その頃、俺と同じ歳で看護士を目指すことになった友人がおり、それがやけに気がかりで、Bに色々看護学校のことを訊いたものだった。
Bはそんな俺の他愛も無い質問にも快く答えてくれた。

その後何度かその店に通ったものの、そのうち俺のほうから足が遠のいてしまった。
あるときBから電話があり、学校が忙しいから仕事を辞める、と口にした。
お別れを言いに久々にBに逢いに行くと、凄く喜んでくれた。
ただ、まあ所詮はキャバクラの出会い。
もう逢うこともないだろう。
と割り切ってたわけだが、Bはその後変更した電話番号も教えてくれた。

それなら、メシでも食いに行くか。

と言う誘いにも断らなかったので、いつも独りの夕飯を少しだけ賑やかにさせてもらったこともある。
それからしばらく連絡が途絶えていたのだが、あるとき彼女から、お店を変えてまたバイトを始めた、というメールが届いた。
俺は、はっきりと、

ガッコの勉強に専念するって言ったんだから、もう止めろよ。

と言ってみたが、

でも、お金ないの(ToT)。

という返事が来ただけだった。
その後、何度か不特定多数に送っているとみられる営業メールが届いたが、逢いに行くことはしなかった。
それから、少ししてまた仕事を辞めたというメールが届いて安心していたが、Bの学校の卒業年度となる今年に入って、

期間限定復活だよ。逢いに来てね!

というメールが来た。
看護学校の3年生と言えば、死ぬほどの多忙なはずだが、春休みに遊ぶお金が欲しいのだという。
返す言葉もなかったのだが、結局、一度足を入れると、「お金を稼ぐ」というときにその他の選択肢がなくなるのが、水商売というものらしい。


本日の結果

投資額    −円
回収額     −円
収支    ±−円

 

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