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バンコク体験記 11 トゥモロー・ネバー・ダイ!バンコク! 最終日 この日、俺は高架鉄道BTSに乗って適当な駅で下車し、後は目的もなくプラプラとひたすら歩いた。疲れると適当なカフェでビールを口にして、落ちつくとまた歩くということを繰り返した。暑さのためにビールを呑んでも、少し歩けばすぐに汗でアルコールは抜ける。 オニイサン、カッコイイヨ! 意味は分かって言っているのだろうか。 この店では、連れ出しオーケーなわけでもない店だろうが(実際は知らないが)、女の子が4、5人ウエイトレス代わりに働いている。エプロン一つつけない私服姿で、とてもきちんと仕事をしている感じではない。ただこのいい加減な雰囲気がまたバンコクのこういった店での魅力ではある。 彼女は俺以上に英語の出来ないコで、まともにコミュニケーションが取れたわけではなかったが、わずかなタイ語と英語のやりとりの合間に、それはそれは楽しそうに笑ってくれた。 私、以前日本人と付き合ってました。 と言った。 アナタの日本語は素晴らしい。 と言うと、彼女は嬉しそうに笑って、 私、日本に行ったことがある と口にした。 お姉さんはどこにいるの? と聞くと、彼女は、 相模原です。 と答えた。 相模原には、良い想い出と悪い想い出があるな。 と言った。 どんな想い出ですか? と尋ねてきたので、 良い想い出は、昔とても好きだったコが相模原に住んでいたんだ。 と答えた。彼女は、その偶然に感心の声を上げて、すぐさま聞いて来た。 悪い想い出は? 俺は答えた。 その好きだったコに振られたことだよ。 彼女は一瞬俺の顔をまじまじと見た後、吹き出すように、 あなた、面白い人ですね。 と言って、笑った。 良く言われるよ。女の子にはバカにされっぱなしだけどね。 そう言うと、そのコは、 ホントですか?ホントだとしてもあなたなら大丈夫ですよ。大丈夫。 なにが大丈夫なのか分からなかったが、妙に確信めいた口調で言うので、なんだか嬉しくなった。 ホントに良い国だなあ。 としみじみ思いながらチェックすると、1時間ほどの滞在で数杯のビールとその倍は奢った会計は、600バーツ(約1800円)だった。こっちの感覚では随分値がはったが、俺はその会計に200バーツほどチップとして足して店を出た。 まもなく空港に向かう時間だ。 俺はこの旅行で何かを得ることが出来ただろうか。
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