男と女のいる鋪道02−認められたい女−
どうしても、惚れてしまうタイプというのがある。
男にとって、その飲み屋で逢ったYはそんな女だった。男は、Yに聞いた。「君の好きな男のタイプを教えてくれよ」と。Yは少し考えた後、答えた。「私のすべてを認めてくれる人かな」と。その日から、男のYへの猛烈なアタックが始まった。店には足繁く通い、Yの欲しがるものを推測しては、プレゼントした。Yのほうも次第に男に心を開き、プライベートの話しもぽつぽつと話すようになった。店の外で逢うことも度々となったある日、Yは若かかりし頃の取り返しのつかない過ちをついに吐き出していた。そう、Yは一度愛した相手の子供を身ごもりながら、堕ろしてしまった経験があったのだ。Yはその罪悪感に今も苛まれている。それを聞いた男はさすがに驚いたが、そっとYを抱き締めて、俺の愛はそんなことじゃ変わらない、と言った。その数日後、男は、もはや確認するくらいの気持ちで、Yに尋ねた。
「どうだい、俺が君のすべてを認めていることを、そろそろ理解してもらえただろうか?」
すると、Yは冷静な口調で、こう言った。
「あら、ごめんなさい。私は、認めてもらえれば誰でも良いのではなく、私好みの相手が私を認めてくれたときだけ付き合うことが出来るの」
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