男と女のいる鋪道01−勘違い−

 

夏も終わりかけた、ある夜。一人の男が、とある繁華街を歩いていると雨が降ってきた。雨宿りがてらにフラフラと近くにあるキャバクラに入り、そこで最初に付いたキャストに、こんなことを言われた。
「あなた、昔付き合ってた彼氏に良く似てるわ」
そう口にした女が、男の好みにばっちり合った美貌を持っていたので、男は嬉しくなって、その女を目当てに店に通うことになった。そして、何度かの来店で少なくない金を費やした後、男は「これは運命」とばかりに自信を持って、その女を口説くことにした。ところが、いざその瞬間。男が投げかけた言葉に、女は眉をひそめた挙句、「ごめんなさい」と謝ってきた。男は、その態度に、まるで裏切られたかのように、
「なんでだよ。昔の男に似てるって言ったじゃないか。ウソだったのかよ」
と責めると、女は、こう言った。
「ウソじゃないわ。あなたが勘違いしてるだけよ。確かに私は、あなたに良く似た男と付き合ったことがある。だけど、それは私の人生の中で、もっとも大きな過ちだったの」



 

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