明日に向かって撃てって(不発編)2
さきほどの支払いが幾らになったのかは知る由もないが、そんなことより、2軒目である。
うにお氏の要望もあり、2軒目はランパブとなる。
なんでも大阪ではランパブのような中途半端な店はない(らしい)。「そこまで脱いでんなら、触らせんかい、ボケッ」というやつである。
ルックス的には大した女の子が付いたとは思えないが、ここでもうにお氏は、ひたすら隣の嬢を口説き続けていた。
今日、アフター行こうよ、アフター
繰り返される口説き文句が、俺には何故か物悲しく聞こえた。
しかし、うにお氏の発したすべての言葉は、空しく手にしたウイスキーのグラスの中に溶け落ちただけで、ここも1セットで出ることになる。ついでに言うと、ここの支払いも幾らになったのかは知る由もない。
店を出ると、全員、気持ちだけは半端に高ぶってしまい、
もう、こうなったら、おっぱいパブ行っちゃいましょう!
というテンションになった。
最年長にして、最もうぶなオロさんだけは、怯えたように「私は、別のランパブに指名嬢がいるので、そちらに行ってきます」と言って別行動となったが、残りの4人はノリノリで、前回、次元氏と二人で入った店に入店した。
前回も書いたが、この店は、男が裸になって(ならなくても良いのだが)女の子の胸を揉みしだくという魅惑的な店だった。
まずは最年少のラーク氏が、悪いサンタクロースにいじめられたかのように、股間に靴下を被せられる以外、全裸になった。
そうなると、横で服を着ているほうがおかしい状況になる(なるかな)
続いて、俺、次元氏と全裸になり、全裸フラット3を作り出した。
当然この後、うにお氏も脱いで、全裸カルテットが出来上がるかと思いきや、なんと、彼は、この盛りがったテンションと、むしろ服を着ている人など他にいない状況の中でも、パンツは脱がないと言う!
これは、おかしい!
銭湯でパンツを履いていたら頭がおかしいと思われるのと同様に、この状況で裸にならないのは、どこか人間として致命的な欠陥を抱えているに等しいのではないか。
俺は焦った。
ま、ま、まさか!
そのとき俺の頭に雷が走った。
ま、まさか、うにお氏は!?
俺の中に金田一耕介が乗り移ったかのごとく、ある推理が思い浮かんだ。
まさか、うにお氏は、
ほ、ほ、ほう、ほう・・・
い、いや、待て。落ち着け。落ち着くんだ。
俺はしたたる額の汗を拭いながら、再度頭を巡らせた。
良く考えろ。
いきなり大阪から東京まで来て御馳走する太っ腹と、先程までの自信満々の口説き方からすると、俺が「じっちゃんの名にかけて」出した結論とは少々ギャップがあり過ぎる。
そうだ、そんなわけはない。今日だけ、たまたま調子が悪いだけだ。
俺は自分に言い聞かせるように、そう結論付けようとした。
しかし、そのとき、俺は見てしまった!
次元氏が冗談で、うにお氏の股間を触ろうとしたときに、うにお氏が恐ろしいまでの拒絶反応を示したことを!!
俺やラークが当然のように触り合って、お互いの背負ってるモノを確認し合ってるこの状況でである!(それはそれで問題だという突っ込みは受け付けない)
状況証拠は揃ってしまった。
まさか、うにお氏は、
ほ、ほ、ほう、ほうけ・・・
いや、いや、待て、待て。
あやうく口にしそうになった言葉を、俺は押さえた。
そして、気持ちを再度落ちつかせた。
俺は、裁判官が判決を出すときにおいて要求される、重要な原則を思い出した。
「疑わしきは罰せず」というやつだ。
灰色。限り無く灰色の結末であろうと、状況証拠だけで結論付けるのは現行の裁判制度においては、正しく無い。
「疑わしきは、被告人の利益に」
うにお被告が有罪だったのか無罪だっかのかは、私が裁決することではなかった。
この結論は、うにお被告が自ら答えてくれるはずだ。
と、そんなわけで、この日結局、このおっぱいパブだけでは収まらずに、灰色のうにお氏を中心に、また途中から合流したオロオロ氏とともに、結果的に、我々は下記のような行動を取った。
居酒屋→キャバ→ランパブ(フルーツ盛り合わせ、場内8人)→セク→キャバ→ラーメン→キャバ→延長→キャバ→アフター
バカとしか言い様が無い。
夜の8時から翌朝6時までである。
たっぷり10時間。半日に渡って人の金で呑み続けた。
帰ると、疲労困ぱいだった。
ただ俺に関して言えば、体力を失っただけだったが、うにお氏的には、体力の他に、俺の月収に近い財力と、さらにはこのコラムで精神まですり減らさなければならないというわけで、まさに痛恨の極みだと思う。
この逆境を打開するため、再度の来京を願うばかりである。そのときは財布に10万円ではなく、20万円は入れておいて欲しい。。
P.S. うにおさん、色々書きましたが、本当に御馳走様でした。
今後ともよろしくお願いします。
判 決
当人より届いた証言メール、並びに普段の彼の言動を鑑みた結果、執行猶予(火星人)と処す。
ただし、それを言えば私や他の者達も火星人であったのに全裸になったので、今後は恥ずかしがらずにムいてから脱ぐことを命ず。以上、閉廷。
後日の補足
このコラムを読んだうにお氏の弟より、メールが届きました。
うにお氏に関して、少なく無い誤解があったようなので、訂正いたします。詳しくは、こちらを御参考下さい。